患者さんに不安と恐怖を与えると・・・
エビデンス
その1
ありふれた症状を訴える患者200名をプラス思考で接した治療群と無治療群、マイナス思考で接した治療群と無治療群に割りつけたRCT(ランダム化比較試験)によると、2週間後の改善率は治療の有無に関わらずプラス思考で接した群の方がはるかに高かった。http://1.usa.gov/qJyVdX
患者に安心と勇気を与えた場合と不安と恐怖を与えた場合を比較すると、治療の有無にかかわらず前者のほうがはるかに早く回復することが明らかになったわけです。
その2
患者に不安や恐怖を与えると間違いなく痛みが増幅する。このノーシーボ効果は想像以上に強力で、ヴードゥー死、タブー死、ノスタルジー死で証明されているように命に関わることさえある。http://1.usa.gov/nCm2wd http://amzn.to/pXA5WR
ことに腰痛・肩こり・関節痛のような筋骨格系疾患は、どんな治療をするのかより患者が症状をどう捉えているかの方がはるかに重要です。慢性化している場合はこのあたりをチェックすべきです。
新しい腰痛概念では
腰痛でいえば、「画像所見の異常」を症状の原因と思い込ませることが、不安と恐怖を与えることにつながります。海外のガイドラインでは重大な病気の疑いがある場合以外は画像診断をすすめていません。そして、「治ること」「自分でできること」を伝え励まし、勇気を与えるように勧めています。