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慢性の痛みとうつ病・不安症の関連

公開日:2022/12/17
更新日:2025/10/09

慢性痛とうつ病・不安障害の関連

 慢性の痛みとうつ病・不安症の関連性についてお伝えします。
この関連性を踏まえた上で、慢性の痛みに向き合う必要があります。 

 もし、あなたが腰痛・坐骨神経痛を長引かせて慢性化させてしまっているなら是非お読みください。 

慢性痛みとうつ病・不安症に関するエビデンス

エビデンス1

 慢性筋骨格系疼痛・うつ病・不安障害の間には強い関連がある
 
精神疾患の併存は過去3ヶ月の活動障害日数と関連し、

・疼痛のみでは18.1日
・疼痛+不安障害は32.2日
・疼痛+うつ病は38日
・疼痛+うつ病+不安障害は42.6日

 うつ病や不安神経症によるさらなる負担は、慢性的な痛みと組み合わさると、痛みの激化、障害の増大、健康関連の生活の質の低下と強く関連していると結論

 

これが慢性疼痛の正体です。痛みの治療だけでは完治しない理由がここにあります。

引用元:16 Sep 2008 - Psychosomatic Medicine (NIH Public Access) - Vol. 70, Iss: 8, pp 890-897

エビデンス2

 慢性筋骨格系疼痛にうつ病と不安障害が併存する患者は疼痛の重症度が最も高い。一部の医師は疼痛の治療によってうつ病や不安障害も改善すると信じているが、もし医師が疼痛の治療だけに集中すれば誤診と過少治療に繋がる可能性がある。

 筋骨格系疾患を生物心理社会的疼痛症候群として治療しなければならない

 慢性疼痛とうつ病の同時発生率が高いこと、身体症状によるうつ病の特定における課題、および神経生物学的側面と行動的側面の両方に取り組む多面的な治療計画の必要性が強調されている。

引用元:

18 Jun 2009 - The Journal of Clinical Psychiatry (Physicians Postgraduate Press, Inc.) - Vol. 7

エビデンス3

 WHOの心理的問題に関するデータを用いて14ヶ国の患者25,916名を分析した結果、

・うつ病と診断された患者のうち、身体症状のみを報告した患者の割合は 45% から 95% の範囲 
・身体症状のみを呈するうつ病の全有病率は 69% 

 プライマリケアを訪れるうつ病患者の約70%は身体症状を主訴として受診しており、最も一般的な症状は疼痛に関連するものであることが判明。 

 うつ病患者が身体症状のみを示す頻度は国や文化によって大きく異なる。

引用元:
28 Oct 1999 - The New England Journal of Medicine (Massachusetts Medical Society) - Vol. 341, Iss: 18, pp 1329-1335

エビデンス4

 プライマリケアを受けているうつ病患者の大多数、特に 75% 以上が、痛みを伴う身体的症状を経験していると報告

 うつ病患者における痛みを伴う身体症状の有病率は高く、それがうつ病の重症度と生活の質に悪影響及ぼす。この論文は、慢性疼痛と併存する気分障害との強いつながりを強調し、持続的寛解を達成するために心理的、身体的、痛みを伴う身体的症状に対処する包括的な治療アプローチを提唱し、後者の分野についてはさらなる研究が必要であることを指摘。

 

引用元:
01 Oct 2004 - Human Psychopharmacology-clinical and Ex... (Hum Psychopharmacol) - Vol. 19

エビデンス5

 うつ病と痛みがプライマリケア患者の間で遭遇する最も一般的な精神的および身体的症候群であることを強調

 痛みの身体的症状とうつ病の心理的症状の両方を個別に治療するのではなく、両方を考慮した総合的な評価・治療が必要

 引用元:
08 Jun 2009 - NEJM Journal Watch (Journal Watch) - Vol. 2009

エビデンス6

 うつ病における身体症状の有病率

 うつの初期症状として、慢性関節痛、四肢痛、腰痛、胃腸障害、疲労、睡眠障害、精神運動活動の変化、食欲の変化などの身体的症状が頻繁に報告されています。


 しかし、うつ病患者の多くは、身体的な症状しか報告しないため、診断が困難。

 身体的痛みとうつ病の間には、セロトニンやノルエピネフリンなどの神経伝達物質が関与する深い生物学的関連性があり、これらの神経伝達物質の調節不全は、両方の症状に関連。

 完全寛解を達成し再発を防ぐために、情緒的症状と身体的症状の両方を対象とする包括的な治療の必要。

引用元:01 Feb 2004 - The Primary Care Companion To The Journa... (Physicians Postgraduate Press, Inc.) - Vol. 6, pp 12-16


 

エビデンス7

 慢性筋骨格痛に苦しむ患者の精神障害の有病率を評価 


結論:精神障害と慢性筋骨格痛の間には正の相関関係があると結論。
精神障害と慢性疼痛の併発が頻発すると障害が増加し、治療が困難になることが明らかに。


精神障害有病率: 慢性疼痛のある患者は、対照群(48%)と比較して精神障害の発生率が有意に高い(88%)、p値は0.001未満 。

 

最も頻度の高い診断:  慢性疼痛グループで最も一般的な精神医学的診断は、
・パニック発作を伴う不安障害(44%)
・全般性不安(36%)
・混合不安障害(33%)
・社会恐怖症(30%)
・広場恐怖症(29%)
・自殺リスク(28%)
・大うつ病(27%)

 

引用元: 
10 May 2024 - Advances in rheumatology  - Vol. 64, pp 1-9

エビデンス8

 うつ病と不安が多数の成人の疼痛関連障害、疼痛強度、疼痛部位にどのように影響するかを調査

 メンタルヘルス障害と疼痛の重症度、障害、部位との間には強い関連性がある。
 併存疾患と相互影響が大きいことを考えると、両方の疾患に同時に対処することで、より効果的な治療成績につながる可能性

 疼痛は精神病理学の予後や精神医学的治療の結果に悪影響を及ぼす可能性があるため、うつ病や不安神経症の治療では併存疼痛の有無を考慮すべきである。
  逆に、メンタルヘルスの問題に取り組むことで、疼痛の治療成績が改善する可能性がある。

 引用元:
15 Oct 2014 - PLOS ONE (Public Library of Science) - Vol. 9, Iss: 10

エビデンス9

 慢性疼痛を経験している若年者【25歳未満(平均年齢18歳以下)】における不安と抑うつの有病率と影響を調査したメタアナリシス

  慢性疼痛のある若者は、対照群と比較して、不安および抑うつの症状が有意に高かった。
慢性疼痛を抱える若者の約3人に1人が不安障害の基準を満たし、8人に1人が抑うつ障害の基準を満たしている。

結論:慢性疼痛を抱える若者の医療においては、精神衛生上の問題のスクリーニング、予防、治療を優先すべき

引用元:
09 Sep 2024 - JAMA Pediatrics (American Medical Association)

エビデンス10

 筋骨格系障害と精神的健康状態との有意な関連性がある。最近の研究では、このような併存疾患の有病率と持続性を示す具体的な例が示され、この密接な関係が一貫して実証されてる。

結果:
・腰痛の問題を含む慢性的な身体障害に苦しんでいる人は、気分障害や不安障害を経験する傾向がかなり高い。
・職業性筋骨格系障害のある労働者を対象とした研究では、かなりの割合 (約 43%) が最初に抑うつ症状のレベルの上昇を示したことが明らかになりました。特に、これらの作業者のかなりの部分(27%)が6か月経ってもこれらの症状が続いていました。

評価:評価に総合的なアプローチを採用し、慢性筋骨格系疼痛のある患者に対して、気分障害や不安障害などの精神障害が併発していないかを定期的にスクリーニングする必要があります 。これにより、身体的症状のみに焦点を当てる場合には見過ごされがちな、メンタルヘルスの課題を早期に特定するのに役立ちます。

治療:筋骨格系障害の治療計画には強い関連性があるため、理想的にはメンタルヘルスのサポートを組み込むべきである。そのためには、理学療法士、疼痛専門医、精神保健専門家(心理学者、精神科医など)が協力して、身体的苦痛と心理的苦痛の両方に同時に対処することが必要になるかもしれない。

 

引用元:
01 Jan 2014(Springer, New York, NY) - pp 219-233

エビデンス11

 慢性疼痛におけるうつ病と不安の有病率が高く、機能や生活の質に重大な影響を及ぼしているにもかかわらず、これまで不明であったこれらの関係の方向性を明らかにすること。

結果:
・症状の有病率: 研究参加者の半数以上が、うつ病と不安神経症の両方症状を報告 。

予測因子:
a,抑うつ/不安神経症は、将来の痛みと疼痛関連障害の両方を有意に予測 できた。

b,痛み/障害は、その後のうつ病または不安を予測することはできなかった 。


結論:専門のペインクリニックで治療を受けている慢性疼痛の成人患者では、抑うつや不安のレベルが高くなると、時間の経過とともに疼痛体験が悪化し、疼痛関連の障害が増加する可能性が高い。
 心理的苦痛が身体的症状と機能障害を悪化させるという一方向の関係を示唆

 

引用元:
01 Apr 2015 - Psychosomatic Medicine (Psychosom Med) - Vol. 77, Iss: 3, pp 333-341

考え方

 慢性の痛み・うつ病・不安障害の共通点として、脳の働きが影響していて、その大元の脳の働きを改善する必要があります。

  また、慢性の痛み・うつ病共に運動療法・認知行動療法が有効というのも共通しています。

  経験したことのない痛み、激しい痛み、終わらない痛みがストレスになって、心理面に影響することもあるでしょうし、先に心理的ストレスがあって、身体症状の一つとして痛みが出る事もあります。お互いに影響し合って複雑に絡み合っているということです。
 

 「痛み・病気・身体の不調だけ」を見る「生物医学モデル」で対応していては、改善どころか悪化の原因になってしまします。「痛み・病気・身体の不調を持つ人」を見る「生物心理社会モデル」に基づく全人的アプローチが必須です!

  臨床現場で「痛みさえ取ってくれたらいいんです。」と言う患者さんに会いますが、その考えが、腰痛・坐骨神経痛を終わらないものにしてしまっているのです。

   痛みは身体から身体の持ち主に異常事態を知らせる警報装置です。身体の持ち主が身体が警報装置を鳴らさなければならない異常状態に気付き、改善の為の行動をしない限り、鳴らし続けます。

 腰痛・坐骨神経痛を長引かせ、慢性化させている人は是非とも、「生物心理社会モデル」に基づく全人的アプローチを受けて頂きたいです!

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