各種鎮痛剤の適応・有効・有害性

1. 各種鎮痛剤のエビデンス

   1. 解説

   2. 慢性痛の薬物療法のポイント

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●NNＴ（治療必要数＝number needed to treat）　50％　relief  とは：

　ある薬（治療）が1人に痛みが50％緩和する効果が現れるまでには、その薬（治療）を何人の患者に用いる必要があるのかを表す数字です。

　例え　
数値が５ならば、薬を飲んだ５人のうち１人が痛みが半減（50％）するということです。


●NNH（害必要数＝number needed to harm）とは：

　何人の患者に治療すると、1人の有害症例が出るかの指数です。

例え

　数値が５ならば、薬を飲んだ５人のうち１人に有害症例がでるということです。
 

• ご覧いただいた様に薬物療法はあまり有効ではありません。
  使い方によっては、痛みと向き合う機会を先延ばしにしてしまい、慢性化の原因にもなりかねません。
   
• 現在、慢性の痛みへの薬物療法は補助の位置づけで、第二選択肢になります。慢性化した痛みには、リハビリや心理療法が第一選択肢になります。
   
• アメリカ内科学会発の腰痛ガイドラインでは急性腰痛に対しても、薬物療法は第二選択肢になっています。
   
• 神経障害性疼痛とは、神経が損傷を受けたものをいいます。代表例は、帯状疱疹後神経痛・脊髄損傷後疼痛・線維筋痛症・糖尿病性疼痛
• リリカ（商品名）ブレガバリン（薬品名）は整形外科疾患である腰痛・坐骨神経痛・脊椎神経根症、関節痛には効果が認められていませんし、否定されています。

• 上記のデータが示すように痛みの半減が得られれば十分な薬効です。ご自身の考える「満足のいく痛みの緩和」に至らないことが多いことを最初から受け入れておき、過度な期待はしないように、期待値を調整することが大切です。
   
• 今すぐ痛みをコントロールしたいという欲求のままに痛み緩和を目指すと多剤併用リスクが高まります。
   
• 鎮痛目的の薬剤は単剤を基本とします。
   
• 痛み治療のなかで薬物療法は補助の位置づけです。主役は、リハビリ（運動療法、徒手療法、心理療法、教育）です。あくまでも補助として使用しましょう。