慢性痛（長引く痛み）と死亡率の関連性

　■18～75歳の一般住民6,569名を9年間追跡調査した結果、

慢性疼痛および広範囲の疼痛を持つ被験者は、疼痛のない被験者より死亡率が高かった。

早期死亡の主な原因は

・乳癌
・前立腺癌

運動量や食事習慣などが関与？

引用元：
22 Sep 2001 - BMJ  - Vol. 323, Iss: 7314, pp 662-665

　慢性疼痛、生活習慣要因、および全死因死亡との関連をスウェーデンの25～74歳の成人1609人を無作為に抽出して最長14年間追跡調査。
 

結果：
広範囲にわたる慢性疼痛を持つ被験者は、疼痛のない被験者より死亡率が高いことが確認された。

その死亡率上昇は、

・喫煙
・睡眠障害
・身体活動低下

と関連していた。

　この新知見は、慢性的に広範囲に及ぶ疼痛を抱える患者の認知行動リハビリテーションのプロセスに生活習慣の要因を組み込むことの重要性を強調している 

引用元：
29 Oct 2009 - Disability and Rehabilitation (Taylor & Francis) - Vol. 31, Iss: 24, pp 1980-1987

　■3か月以上にわたって「全身の痛み」を経験した人と慢性的な痛みのない人と比較

　慢性的な広範囲にわたる疼痛と、特にがん、心血管、呼吸器疾患による死亡率の増加との間に明確な関連があることが明らかになった。このリスク増加のかなりの部分が生活習慣の要因（身体活動レベルの低さ、ボディマス指数（BMI）の高さ、食事の質の低さ、喫煙など）によるものと考えられ、介入の潜在的な手段が浮き彫りになった。

引用元：
21 Jul 2017 - Annals of the Rheumatic Diseases (Ann Rheum Dis) - Vol. 76, Iss: 11, pp 1815-1

　英国バイオバンク研究に参加した427,464人の女性と男性が参加し、痛みを短期疼痛、慢性限局性疼痛、および慢性広汎性疼痛の三つに分類にして調査。

　健康寿命の大幅な短縮と慢性疾患を抱えて過ごす期間の延長に関連。

結論：慢性疼痛、特に広範囲に及ぶ慢性疼痛は、健康寿命の大幅な短縮と慢性疾患患者の寿命の延長に関連していると結論

引用元：
19 Mar 2024 - Circulation 

　慢性疼痛と死亡率には関連性があります。

　痛みが出たり、痛みを長引かせるような運動不足や食事、喫煙、睡眠不足などの生活習慣が死亡率に影響したり、痛みがある為に、睡眠不足や運動不足になり、その結果として死亡率が高まるのかもしれません。

　痛みと死亡率と生活習慣がお互いに影響していそうです。

 　腰痛や坐骨神経痛などの痛みが長く続く状態というのは、死亡率にも影響を与えます。痛みのコントロールにばかり捉われずに、生活習慣の改善を行いましょう。