痛みを気にしないとは？

お悩み相談室

　先行する刺激（痛みに関する思考、言葉などの刺激）により、痛覚過敏になる

1. 「痛み」で頭がいっぱいになる原因の一つとして「痛み」についての連想ゲームが考えられます。
    
2. 腰が痛い→外出中にもっと痛くなりそう（過去にあった）→怖いな→出かけたくないな→約束のキャンセルの連絡をしなくては→相手に申し訳ない→無理してでも約束を守ったほうがよいかな→でも腰が痛い→怖い→やっぱり断ろう→でも、断りの電話するのも気が重い→腰の痛みさえなければ・・・
    
3. このように「痛み」に関連する事で堂々巡り・グルグル思考になり
    
4. 視野狭窄に陥り、「痛み」で頭がいっぱいになってしまいます。

1. 「痛み」　についての連想ゲームをしないようにしましょう。
    
2. 痛みを感じる事は自然なことなので、痛み自体を批判せずに、「痛いと思っている　私」と唱えて、ただ痛みをあるがままに受け入れて下さい。痛みを客観視して、自分に張り付いた「痛み」と距離をおきましょう。
    
3. 「痛み」に”あってはならないもの”等の不適切な意味付け（認知）をしたり、”不安や恐れ”等のネガティブな感情を付け足さないようにしましょう。
    
4. 「痛み」は「汗」と同じで、自身で出すことも・止めることも出来ない自然発生するものです。直接はコントロール出来ないものです。
   
   「痛み」だけを直接コントロールしようとする欲は、手放しましょう。
    　この欲（執着）が苦しみを生んでしまいます。

• 「痛み」を気にしないとは、「痛み」を無視する・感じない・鈍感になることではありません。むしろ、しっかり観察（客観視）してみて下さい。
   
• 「痛み」や「不安」も自然に任せれば、時間の経過とともに、ピークアウトして落ち着いていったり、楽な時間帯があるものです。
   
• また、「痛み」を何かしらの対症療法で繰り返し無理矢理抑えていると、「痛み」の推移を観察する経験（上記２）が得られないので、再び「痛み」が出た時に、強い「不安」に襲われ、パニックに陥りやすくなってしまいます。
  
  　また、対症療法に依存していってしまいます。
• 痛みを気にしないように・感じないようにと意識することで、むしろ、気にしないようにするよりもより注意が向いてしまうので気を付けましょう！
  
  
  赤いリンゴを思い浮かべないようにと言われると、思い浮辺てべしまうのと同様です。
• 「痛み」を感じても、「痛み」という不快な感覚を抱えつつ、適応行動（原因療法）を止めずに坦々と進めていくことが大切です。

　「痛み」という不快な感覚が現れると、それについて「考える」⇒その結果ますます「痛み」に注意が向き⇒より「痛み」が強く感じられ、⇒更に「痛み」に注意が向く。

　「痛み」という不快な感覚が現れる⇒「痛み」を批判する⇒不快な情動（不安や恐怖）が湧き起こる⇒心の安定が不均衡になる⇒心を安定させようとする⇒その行動が適応行動（原因療法）であれば良いのですが、不適応行動（対症療法・その場しのぎ）だと、時間の経過で再び「痛み」が戻ってきて、始めに戻る。という悪循環を繰り返してしまいます。

　このような「痛み」と「考え」の悪循環が強まり、頭が「痛み」でいっぱいの状態（視野狭窄・捉われ）に陥らないようにしていきましょう。