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腰の左側が痛い原因と対処法

公開日:2026/03/27
更新日:2026/00/00

腰の左側が痛い原因と適切なアプローチ

 片側性の腰痛、特に左側の痛みに関する診断と治療を網羅的にまとめたエビデンスに基づくレビューです。

 主な原因として、
椎間板疾患や仙腸関節の機能不全、神経絞扼症候群などの筋肉・骨格系の問題から内臓由来の疾患まで、幅広い可能性を体系的に解説しています。

 
診断においては、患者の病歴、身体診察、および適切な画像診断を統合することが不可欠であり、レッドフラッグ(危険信号)の確認が強調されています。

 治療のアプローチとしては、
運動療法や薬物療法などの保存的療法を優先し、改善が見られない場合にのみ注射や手術などの侵襲的な処置を検討する段階的なケアモデルを推奨しています。

 また、30件以上の系統的レビューに基づき、
現在の診断精度の限界や将来の研究課題についても深く考察されています。

目次

  1. 左側の腰痛を引き起こす主な原因には何がありますか?

    1. 筋骨格系の原因

    2. 神経系の原因

    3. 内臓疾患および関連痛

    4. 注意すべき「レッドフラッグ(危険信号)」

    5. まとめ

 

  1. 仙腸関節のトラブルと坐骨神経痛はどう見分けるのですか?

    1. 痛みの性質と症状の広がり

    2. 神経学的所見の有無

    3. 特徴的な身体検査(誘発テスト)

    4. 診断的ブロック

    5.  画像診断の補助的利用

    6. まとめ

 

  1. 上殿神経や中殿神経の締め付け(絞扼)とは何ですか?

    1. 痛みの特徴

    2. 診断の難しさ

    3. 位置付け

    4. まとめ

 

  1. 腎臓が原因の腰痛には、他にどのような症状がありますか?

    1. 全身症状(レッドフラッグ)

    2. 泌尿器系の症状

    3. 痛みの性質の違い

    4. まとめ

 

  1. 非機械的な痛みとは具体的にどのような感じですか?

    1. 具体的な特徴や感覚

    2. まとめ

 

  1. 腰痛のレッドフラッグ(危険信号)について詳しく教えて下さい。

    1. 代表的なレッドフラッグ

    2. 臨床的な重要性

 

  1. 画像検査で異常がなくても痛みがある原因は何ですか?

    1. 筋肉や靭帯などの「軟部組織」の問題

    2. 神経の「締め付け(絞扼)」

    3. 関節の機能不全

    4. 脳や神経系の「痛み処理」の変化

    5.  画像上の異常と症状の不一致

    6. 結論

 

  1. 画像で異常があっても痛みがないケースは多いですか?

    1. 主な理由

    2. 結論

       

  1. 画像検査以外で、どのように診断を確定させるのですか?

    1.  詳細な問診(病歴聴取)

    2. 身体診察(フィジカル・アセスメント)

    3. 診断的ブロック(リファレンス・スタンダード)

    4. スクリーニングツールと機能診断

    5. まとめ
       

  2. 保存療法から手術まで、一般的な治療の流れを教えてください。

    1. 第一選択:保存療法(Conservative Management)

    2. 第二選択:介入療法(Interventional Options)

    3. 第三選択:手術療法(Surgical Interventions)

    4. 治療選択のポイント

       

左側の腰痛を引き起こす主な原因には何がありますか?

 左側の腰痛(片側性の腰痛)を引き起こす主な原因は、大きく分けて筋骨格系、神経系、および内臓疾患の3つに分類されます

筋骨格系の原因

筋骨格系の障害は、片側性腰痛の最も一般的な原因です
  • 機械的腰痛: 筋肉、靭帯、または関節の捻挫や損傷によって引き起こされます。活動によって悪化し、休息によって改善するのが特徴で、全症例の大部分を占めます
     
  • 椎間板疾患: 椎間板ヘルニア、椎間板の亀裂、椎間板性疼痛などが含まれます。椎間板物質が側方に突出すると、神経根を圧迫したり周囲の組織を刺激したりして、左側のみに症状が出ることがあります
     
  • 仙腸関節機能不全: 仙腸関節(骨盤の関節)のトラブルは、片側の臀部や脚の痛みとして現れることがあり、坐骨神経痛と誤認されることも多い重要な原因です
     
  • 椎間関節症: 脊椎の動きを支える椎間関節が、炎症や変性プロセスによって痛みの発生源となることがあります

神経系の原因

 神経の圧迫や刺激も、鋭い痛みや放散痛の原因となります。
  • 腰椎神経根症(坐骨神経痛など): 神経根の圧迫や刺激により、片側の脚の痛み(坐骨神経痛)を伴う腰痛が生じます
  • 神経絞扼(こうやく)症候群: 上殿神経や中殿神経の絞扼(締め付け)は、特徴的な片側性の腰痛や臀部痛を引き起こします。これらは他の疾患と間違われやすく、見逃されやすい原因の一つです

内臓疾患および関連痛

 頻度は低いものの、内臓の病気が腰の痛みとして感じられることがあります。

  • 腎臓疾患: 左側の腰痛は、腎結石、腎盂腎炎、あるいはその他の泌尿器科的な問題といった腎臓の病変から生じることがあります

注意すべき「レッドフラッグ(危険信号)」

 診断においては、単なる腰痛ではなく、重大な基礎疾患が隠れていないかを確認することが重要です。以下の症状(レッドフラッグ)を伴う場合は、早急な評価が必要です

  • 発熱
  • 意図しない体重減少
  • がんの既往歴
  • 重度または進行性の神経学的欠損
  • 排尿・排便機能の障害
  • 骨粗鬆症がある中での外傷

注意すべき「レッドフラッグ(危険信号)」

 正確な診断には、患者の履歴、身体診察、および必要に応じた画像診断を統合して判断する必要があります

仙腸関節のトラブルと坐骨神経痛はどう見分けるのですか?

 仙腸関節(SIJ)のトラブルと坐骨神経痛(腰椎神経根症)は症状が似ており、どちらも片側の臀部や脚の痛みを引き起こすため、慎重な見極めが必要です。

 主な見分け方のポイントは以下の通りです。

痛みの性質と症状の広がり

  • 坐骨神経痛: 神経の圧迫や刺激による神経障害性疼痛が特徴で、焼けるような痛み、電撃痛、あるいは鋭く走るような痛みとして表現されることが多くあります。痛みは特定の神経の通り道(デルマトーム)に沿って脚に放散します
     
  • 仙腸関節のトラブル: 坐骨神経痛と非常によく似た臀部や脚の痛みを引き起こしますが、基本的には傷害受容性(機械的)な痛みです

神経学的所見の有無

 坐骨神経痛(神経根の関与)を疑う強力な指標は、神経学的欠損の有無です。
  • 坐骨神経痛: 特定の筋肉の筋力低下、皮膚の感覚麻痺(感覚喪失)、および反射の低下が見られることがあります
     
  • 仙腸関節: 通常、上記のような明確な神経学的欠損は見られません。

特徴的な身体検査(誘発テスト)

 診断の精度を高めるために、特定の動作で痛みを誘発するテストを組み合わせて行います
  • 仙腸関節のチェック: FABERテスト、ゲンスレンテスト、サイスラスト(大腿押し込み)テスト、圧迫テストなどが行われます。これらの複数のテストで陽性反応が出ると、仙腸関節が原因である可能性が高まります
  • 坐骨神経痛のチェック: **ラセーグ徴候(直脚挙上テスト:SLR)**が代表的です。足を伸ばしたまま挙上した際に脚に痛みが走る場合、神経根の緊張やディスクによる圧迫が疑われます

 診断的ブロック

 身体診察だけで確定診断を下すことは難しいため、**診断的ブロック(局所麻酔薬の注入)**が基準(リファレンス・スタンダード)として用いられます
  • 仙腸関節に麻酔薬を注入して痛みが消失すれば仙腸関節由来、特定の神経根に注入(選択的神経根ブロック)して痛みが消えれば坐骨神経痛であると判断されます

 画像診断の補助的利用

 MRIなどは椎間板ヘルニアや神経圧縮を確認するのに有効ですが、無症状の人にも異常が見つかることが多いため、必ず臨床症状と照らし合わせて判断する必要があります

まとめ

 正確な診断には、これら「患者の履歴」「身体診察」「画像検査」を統合して評価することが不可欠です

上殿神経や中殿神経の締め付け(絞扼)とは何ですか?

 **上殿神経(SCN)および中殿神経(MCN)**の締め付け(絞扼:こうやく)とは、これらの神経が周囲の組織によって圧迫されることで、片側性の腰痛や臀部痛を引き起こす状態を指します

この病態に関する主な特徴は以下の通りです。

痛みの特徴

  • 場所: 特徴的な片側性の腰痛および臀部(お尻)の痛みを引き起こします
     
  • 性質: 神経の圧迫(絞扼)によるものであるため、「焼けるような」「走るような(鋭い)」「電気ショックのような」神経障害性疼痛の性質を持つことが一般的です。この痛みは、臀部や脚にまで放射(放散)することもあります

  診断の難しさ

  • 誤認されやすい: 椎間板疾患や仙腸関節のトラブルなど、他の一般的な腰痛の原因と非常に似た症状を示すため、他の疾患と間違われやすく、過小診断(見逃されること)が多い原因の一つです
     
  • 鑑別診断の重要性: 通常の治療(コンベンショナル・トリートメント)で改善が見られない片側性の腰痛や臀部痛を持つ患者においては、この神経絞扼を疑うことが重要であるとされています

  位置付け

  • これらは神経系が原因で起こる腰痛(神経学的病因)に分類されます
     
  • まれなケース(less common)として扱われることもありますが、特に片側だけの症状がある場合には、鑑別診断の幅を広げるために考慮すべき重要な病態です

まとめ

 上殿神経や中殿神経の絞扼は、一般的な筋肉の痛みや関節の痛みとは異なり、神経そのものが締め付けられることで発生する特有の痛みであり、専門的な評価が必要な疾患です

腎臓が原因の腰痛には、他にどのような症状がありますか?

 腎臓の病気(腎結石や腎盂腎炎など)が原因で左側の腰痛が生じる場合、単なる筋肉や骨の問題とは異なる**「レッドフラッグ(危険信号)」**と呼ばれる重要な症状を伴うことがあります。

 具体的には、以下のような症状に注意が必要です。

全身症状(レッドフラッグ)

 腎臓などの内臓疾患が疑われる場合、以下のような全身性の症状が伴うことがあり、これらは緊急の評価が必要なサインとされています

 

  • 発熱: 腎盂腎炎などの感染症が疑われる際に重要な指標となります,
  • 意図しない体重減少: 深刻な基礎疾患の可能性を示唆します

泌尿器系の症状

 腎臓やその他の尿路疾患が原因の場合、腰痛以外に以下のような症状が現れることがあります。
 
  • 排尿・排便機能の障害: 泌尿器科的な問題や神経系の重篤な問題に関連して現れることがあります
     
  • 泌尿器科的所見: 腎結石や腎盂腎炎などの特定の病変に伴う症状(血尿や排尿時の痛みなど、出典には詳細な記述はありませんが、これらは一般的な泌尿器科的条件に含まれます)

痛みの性質の違い 

  • 非機械的な痛み: 一般的な「機械的腰痛」は活動で悪化し休息で改善しますが、腎臓などの内臓由来の痛みは、特定の動きに関係なく**「絶え間ない痛み(unrelenting pain)」**として現れることがあります
     
  • 関連痛: 腎臓の病変が原因であっても、痛みそのものは腰の領域に「関連痛」として現れるため、患者自身が原因を特定するのは難しい場合があります

まとめ

 左側の腰痛に加えて、特に発熱排尿の異常が見られる場合は、筋肉や骨の問題ではなく、腎臓をはじめとする内臓疾患の可能性があるため、速やかな医療機関への受診が推奨されます

非機械的な痛みとは具体的にどのような感じですか?

 非機械的な痛みとは、一般的な腰痛(機械的腰痛)のように「動くと悪化し、休むと改善する」というパターンに当てはまらない痛みを指します。

具体的な特徴や感覚

  • 安静にしていても消えない痛み(持続的な痛み): 特定の動きや姿勢に関係なく、**「絶え間ない痛み(unrelenting pain)」**として感じられることがあります,。これは、内臓疾患(腎臓など)やその他の非筋肉性の問題が原因である際に見られる特徴です
     
  • 夜間や早朝に悪化する: 炎症性の性質を持つ痛みの場合、夜寝ている間や、朝起きた直後に痛みが強くなる傾向があります
     
  • 長時間のこわばり: 朝の起きがけなどに、**長時間続く体のみしぎ(凝り固まった感覚)**を伴うことがあります
     
  • 異常な感覚を伴う(神経障害性): 神経の圧迫や絞扼が関与している場合、単なる重だるさではなく、**「焼けるような」「電撃が走るような」「刺すような」**鋭い痛みとして感じられることが一般的です

 まとめ

 これら非機械的な痛みは、筋肉や骨の単純な損傷ではなく、炎症、神経の問題、あるいは内臓疾患などのより深刻な基礎疾患が隠れているサインである場合があるため、注意深く評価する必要があります

腰痛のレッドフラッグ(危険信号)について詳しく教えてください。

 腰痛の**レッドフラッグ(危険信号)**とは、深刻な基礎疾患が隠れている可能性を示唆し、緊急の医学的評価が必要な徴候や症状のことです。これらは筋肉や関節の問題(機械的腰痛)ではない、より重大な原因を特定するために極めて重要です,

代表的なレッドフラッグ

  • 発熱: 腎盂腎炎などの感染症や炎症性疾患の可能性を示唆します
     
  • 意図しない体重減少: がんなどの悪性腫瘍や深刻な全身疾患が隠れているサインであることがあります
     
  • がんの既往歴: 過去にがんを患ったことがある場合、腰痛がその転移や再発に関連している可能性を考慮する必要があります
     
  • 重度または進行性の神経学的欠損: 筋力の著しい低下や、感覚麻痺が急速に悪化する場合などが含まれます
     
  • 排尿・排便機能の障害: 神経系の重篤な問題(馬尾症候群など)や、泌尿器科的な緊急事態の兆候である可能性があります
     
  • 骨粗鬆症を伴う外傷: 骨が弱い状態での転倒や衝撃は、脊椎骨折などの重大な損傷につながるリスクがあります

臨床的な重要性

 診断において、詳細な問診によってこれらのレッドフラッグの有無を確認することは評価の基盤となります。

  通常、これらの危険信号がない非特異的な腰痛に対しては、ルーチンの画像検査(MRIやCTなど)は推奨されません。なぜなら、早期の画像検査が必ずしも結果を改善するわけではないからです。

 しかし、レッドフラッグが認められる場合には、画像診断を含めた迅速な精査がガイドラインでも強く推奨されています。

 特に、特定の動作に関係なく痛みが続く場合や、内臓疾患(腎臓病変など)による関連痛が疑われる場合には、これらの信号を見逃さずに適切な診療科で評価を受けることが不可欠です。

画像検査で異常がなくても痛みがある原因は何ですか?

 画像検査(MRIやCTなど)で異常が見当たらないにもかかわらず痛みを感じるのには、いくつかの重要な理由があります。出典に基づくと、主な原因は以下の通りです。

筋肉や靭帯などの「軟部組織」の問題

 最も一般的な原因は機械的腰痛であり、これは筋肉、靭帯、または関節の捻挫や損傷によって引き起こされますこれらの組織の微細な損傷や緊張は、通常の画像検査では明確に捉えることが難しい場合があります。

神経の「締め付け(絞扼)」

 **上殿神経や中殿神経の絞扼(こうやく)**は、画像検査で見逃されやすい原因の一つです。これらの神経が周囲の組織に締め付けられて痛みを出している場合、腰椎そのものの構造(骨や椎間板)に異常がなくても、強い片側性の腰痛や臀部痛が生じます。

 関節の機能不全

 仙腸関節(骨盤の関節)や椎間関節のトラブルも、画像だけでは判断が困難で

  • これらの関節は痛みの発生源になりやすいですが、画像上の変形と実際の痛みの強さは必ずしも一致しません
     
  • そのため、確定診断には画像よりも、特定の動作で痛みを再現するテストや、麻酔薬を注入する診断的ブロックが有効とされています

脳や神経系の「痛み処理」の変化

 痛みが3ヶ月以上続く慢性腰痛の場合、身体の構造的な問題だけでなく、**神経可塑性の変化(脳が痛みを感じやすくなる状態)**が関与していることがあります。この場合、組織そのものに異常がなくても、脳が「痛み」の信号を出し続けてしまいます。

画像上の異常と症状の不一致

 出典は、「健康で痛みがない人」でも、画像検査をすると椎間板などの変性が見つかることが多いという事実を指摘しています。

  • 画像に写る「変化」が必ずしも「痛みの原因」であるとは限りません。
     
  • 逆に、画像が正常であっても、痛みを感じる組織(ペイン・ジェネレーター)が別に存在する可能性があります。

結論

 画像検査はあくまで診断の一要素に過ぎません。患者の履歴、身体診察、そして特定の動作による痛みの変化を統合して評価することで、画像には写らない本当の痛みの原因を特定することが可能になります。

画像で異常があっても痛みがないケースは多いのですか?

 はい、画像検査で異常が見つかっても痛みがないケースは非常に多いことが、多くの研究で示されています

主な理由

  • 無症状の変性変化が高い頻度で見られる: 一般の人々を対象とした調査では、全く痛みがない人であっても、MRIやCTを撮ると椎間板などの変性(加齢に伴う変化)が見つかるケースが非常に多く認められています
     
  • 画像と症状が一致しない: 画像上の「異常」と、実際に患者が感じている「痛み」との関連性は必ずしも明確ではありません。そのため、画像で見つかった変化が必ずしも痛みの原因(ペイン・ジェネレーター)であるとは限らないのです
     
  • 診断における課題: このように「無症状でも画像に異常が出る」という事実は、医師が痛みの本当の原因を特定する際の大きな課題となっています

結論

 画像検査の結果はあくまで診断の一要素であり、「患者の病歴」や「身体診察」の結果と照らし合わせて、その異常が本当に痛みを引き起こしているのかを慎重に判断することが不可欠であると強調されています

画像検査以外で、どのように診断を確定させるのですか?

 画像検査で異常が見つからない、あるいは画像上の異常と症状が一致しない場合、診断を確定させるためには詳細な問診(病歴聴取)身体診察、そして診断的ブロックを組み合わせた多角的なアプローチが不可欠です

 主な診断の手順は以下の通りです。

詳細な問診(病歴聴取)

問診は診断の「土台」となります
  • 痛みの性質の特定: 痛みが「鋭い」「鈍い」「焼けるような」「電撃のような」といった性質を分析することで、原因が筋肉・関節(侵害受容性)なのか神経(神経障害性)なのかを推測します
     
  • 発症のパターン: 怪我などの明確なきっかけがあるか、あるいは徐々に痛みが出たかを確認し、外傷性か変性疾患かを判断します
     
  • レッドフラッグの確認: 発熱や体重減少、排尿・排便障害など、緊急の対応が必要な重大な疾患が隠れていないかをスクリーニングします

 身体診察(フィジカル・アセスメント)

 身体診察は診断の「要(かなめ)」であり、特定の痛みの発生源(ペイン・ジェネレーター)を特定するために行われます
  • 視診・触診・可動域評価: 脊椎の動きや痛みの場所を直接確認します
     
  • 神経学的検査: 筋力、感覚、反射のテストを行い、神経根の関与(椎間板ヘルニアや狭窄など)がないかを調べます
     
  • 誘発テスト(Provocative Tests): 特定の動作で痛みを再現させます。

 ラセーグ徴候(SLRテスト): 神経根の緊張や椎間板の問題を確認します

 仙腸関節テスト: FABERテストや大腿押し込みテストなど、複数のテストを組み合わせて仙腸関節由来の痛みを評価します

 診断的ブロック(リファレンス・スタンダード)

 臨床診察だけでは痛みの原因を100%特定することは難しいため、**「診断的ブロック(局所麻酔薬の注入)」**が確定診断の基準(リファレンス・スタンダード)として用いられます
 
  • 方法: 疑わしい関節(仙腸関節や椎間関節)や神経根に直接麻酔薬を注入します
  • 判断: 注入直後に痛みが大幅に軽減または消失すれば、そこが本当の痛みの原因であると確定できます

  スクリーニングツールと機能診断

  • スクリーニングツール: 神経障害性疼痛のメカニズムを特定するために使用されます
     
  • 機能診断: 多角的な視点から身体の機能制限を評価し、治療の選択を導きます

  まとめ

 画像検査はあくまでもこれらの臨床的所見を裏付けるための補助的なツールであり、「患者の訴え」と「身体診察の結果」を統合することが、正しい診断に到達するための最も確実な道となります

保存療法から手術まで、一般的な治療の流れを教えてください。

 腰痛の治療は、一般的に**「ステップケアモデル(段階的ケア)に従って進められます。これは、まずは身体への負担が少ない保存療法**から開始し、効果が見られない場合に、より侵襲的な(体に負担のかかる)介入療法や手術へと段階的に進む考え方です
 

 一般的な治療の流れは以下の通りです。

 第一選択:保存療法(Conservative Management)

ほとんどの患者に対して、最初に行われる標準的なアプローチです

 

  • 患者教育と活動の調整: 痛みの性質を理解し、過度な安静を避けて可能な範囲で活動を維持することが推奨されます
     
  • 物理療法と運動療法: 専門家による指導のもとでの構造化された運動プログラム、徒手療法、物理療法などが行われます,,。特に慢性的な痛みに対しては、認知行動療法的なアプローチを組み合わせることも有効です
     
  • 薬物療法: 痛みや炎症を抑えるために、まずは**アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)**から開始されます,。抗うつ薬が用いられることもありますが、その有効性については限定的という報告もあります
     
  • 補完療法: 患者によっては鍼治療などが検討されることもあり、一部で痛みの緩和に寄与することが示されています

 第二選択:介入療法(Interventional Options)

 十分な期間(通常は数週間から数ヶ月)の保存療法を行っても改善が見られない場合に検討されます,

注射療法: 痛みの原因となっている場所に直接薬剤を注入します。

  • 硬膜外ステロイド注射(TFESIなど): 神経根の炎症を抑えるために行われます
  • ファセット関節(椎間関節)注射、仙腸関節注射: 関節由来の痛みが疑われる場合に行われます
  • 選択的神経根ブロック: 診断と治療の両方の目的で行われます

 第三選択:手術療法(Surgical Interventions)

 手術は、特定の明確な適応がある場合にのみ検討される「最終的な選択肢」です
 
  • 手術が検討されるケース:
 ・進行性の神経学的欠損(筋力の著しい低下など)がある場合
 ・馬尾症候群(排尿・排便障害を伴う緊急事態)
 ・包括的な保存療法を継続しても、持続的な身体障害を伴う痛みが改善しない場合
 
  • 手法:
    神経の圧迫を取り除く除圧術や、脊椎を安定させる固定術などが行われます。近年では、身体への負担を軽減するための**低侵襲手術(内視鏡手術など)**も普及しています。

治療選択のポイント

 治療の進め方は、単に痛みの強さだけでなく、「レッドフラッグ(危険信号)」の有無、患者の機能的な制限、および画像検査の結果を総合的に判断して決定されます

  特に、画像上の異常があっても痛みがないケースが多いため、症状と検査結果が一致しているかを慎重に見極めることが、適切な治療選択には不可欠です

 

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[26] S. E. Murphy et al., "Clinical pathways for the management of low back pain from primary to specialised care: a systematic review," European Spine Journal, 2022. DOI: 10.1007/s00586-022-07180-4

[27] J. Hartvigsen et al., "Clinical examination findings as prognostic factors in low back pain: a systematic review of the literature," Chiropractic & Manual Therapies, 2015. DOI: 10.1186/S12998-015-0054-Y

[28] Y. Han et al., "Short-term clinical efficacy and safety of unilateral biportal endoscopic transforaminal lumbar interbody fusion versus minimally invasive transforaminal lumbar interbody fusion in the treatment of lumbar degenerative diseases: a systematic review and meta-analysis," Journal of Orthopaedic Surgery and Research, 2023. DOI: 10.1186/s13018-023-04138-0

[29] L. Manchikanti et al., "Systematic review of lumbar discography as a diagnostic test for chronic low back pain," Pain Physician, 2009. DOI: 10.36076/PPJ.2009/12/541

[30] N. Kumar et al., "Clinical Utility of Transforaminal Epidural Steroid Injection: A Systematic Review and Meta-Analysis to Study the Predictors of Favorable Surgical Outcomes," Cureus, 2025. DOI: 10.7759/cureus.99325

ごあいさつ

院長の新幡です

 長引いた痛みを一人で治すのは困難なことが多いです。

 困ったときは自身で判断せずに適切な処置を受けるために専門家に相談しましょう。

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