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股関節痛のよくある質問と回答

公開日:2026/03/17
更新日:2026/05/13

変形性股関節症の段階の図

 神奈川県川崎市のひまわり接骨院が、股関節の痛みに関する悩みや疑問に対して、医学的根拠に基づいた専門的な見解をまとめた資料です。

 変形性股関節症や神経の問題など、痛みの根本原因を特定するためのセルフチェックや、日常生活での注意点が詳しく解説しています。

 単なる対症療法ではなく、運動療法や神経トレーニングを通じて、手術を回避し「一生歩ける体」を作る重要性を説いているのが特徴です。

 また、整形外科と接骨院の役割の違いを明確にし、患者さんが適切な医療を選択できるような指針も示しています。

 ストレッチや寝具の選び方といった具体的なセルフケアも網羅しており、痛みに悩む方への総合的なガイドとなっています。

目次

  1. 股関節の痛みは、体のどのあたり(前・横・後ろ)に出ることが多いですか?
  2. 足の付け根(鼠径部)がチクチク痛むのは股関節が原因ですか?
  3. 靴下を履く時や爪を切る時に股関節が痛むのは、末期症状ですか? 
  4. 歩き始めに痛むが、しばらく歩くと楽になるのはなぜですか?
  5. 股関節を動かすと「ポキポキ」「ゴリゴリ」音が鳴るのは放っておいて大丈夫?
  6. あぐらがかけない、足が開かないのは股関節の異常ですか?
  7. 股関節の痛みだと思っていたら、実は「腰」が原因ということもありますか? 
  8. 「変形性股関節症」と言われましたが、骨の変形は元に戻りますか?
  9. 臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)があると、必ず将来歩けなくなりますか?
  10. 股関節の「関節唇(かんせつしん)損傷」とはどのような状態ですか? 
  11. スポーツ(格闘技やゴルフ)で股関節を痛める主な原因は何ですか?
  12. 産後の股関節痛が数年経っても治らないのはなぜですか?
  13. 「FAI(股関節インピンジメント)」とは何ですか?
  14. レントゲンで「骨に異常なし」と言われたのに付け根が痛む原因は? 
  15. 股関節の痛みで手術を勧められましたが、保存療法(整体・接骨院)で回避できますか? 
  16. 軟骨がすり減っていても、痛みを消すことは可能ですか?
  17. 整形外科の「リハビリ」と、接骨院の「施術」はどう違いますか?
  18. ヒアルロン酸注射や痛み止めで股関節症は根本的に治りますか?
  19. 股関節の「筋トレ」を頑張っているのに、痛みが変わらないのはなぜ? 
  20. 施術を受けてからスムーズに歩けるようになるまで、どのくらいの期間が必要?
  21. 股関節が痛い時、ウォーキングは控えたほうがいいですか?
  22. 階段の昇り降りで股関節に負担をかけないコツはありますか?
  23. 寝る時に股関節が痛む場合、どのような枕やクッションを使えばいいですか?
  24. 股関節を柔らかくするための「逆効果なストレッチ」はありますか? 
  25. 椅子に座る時、股関節に優しい座り方は?(座面の高さなど)
  26. 立ち仕事中、片足に体重をかける癖が股関節に与える影響は?
  27. 体重を減らすだけで、股関節の痛みは劇的に改善しますか?
  28. 股関節の健康を維持するために、日常生活で最も気をつけるべき「神経のスイッチ」とは? 
  29. 【股関節の危険度】セルフチェックリストはありますか?


     

股関節の痛みは、体のどのあたり(前・横・後ろ)に出ることが多いですか?

【回答】最も多いのは「前(鼠径部:付け根)」です。

 股関節は体の深部にあるため、関節そのものに問題(炎症や変形)がある場合、その真上に位置する足の付け根(鼠径部)に痛みを感じるのが医学的な定石です。

  • 前側: 関節唇損傷、変形性股関節症など、関節内部の問題。

  • 外側(横): 大転子疼痛症候群(滑液包炎や中臀筋の付着部炎)。

  • 後ろ側: 坐骨神経の問題、深層外旋六筋(お尻のインナーマッスル)の過緊張、あるいは腰椎由来。

足の付け根(鼠径部)がチクチク痛むのは股関節が原因ですか?

【回答】股関節由来の可能性が非常に高いですが、神経の絞扼(こうやく)も疑われます。

  
鼠径部の痛みは股関節疾患の主要なサインです。ただし「チクチクする」といった感覚異常を伴う場合、大腿神経や外側大腿皮神経が周囲の組織によって圧迫されているケース(鼠径ヘルニアや神経痛)も考慮する必要があります。

 当院のような専門機関では、徒手検査で「関節の問題」か「神経の通り道の問題」かを切り分けます。

靴下を履く時や爪を切る時に股関節が痛むのは、末期症状ですか?

【回答】末期とは限りませんが、股関節の「機能制限」が顕著になっているサインです。

 
これらの動作は股関節の「屈曲(曲げる)」と「内旋・外旋(ひねる)」が組み合わさった複雑な動きを必要とします。これが痛むのは、関節の遊び(ゆとり)がなくなっている証拠です。

  画像上の変形が少なくても、周囲の軟部組織が硬着しているだけで起こることも多いため、早急な機能改善アプローチで「手術なし」の生活を維持できる可能性は十分にあります。

歩き始めに痛むが、しばらく歩くと楽になるのはなぜですか?

【回答】「始動時痛(しどうじつう)」と呼ばれ、関節液の循環不足や組織の癒着が原因です。

​  一つは、
長時間じっとしていると、関節を滑らかにする「滑液(かつえき)」の循環が滞り、組織同士の滑走性が低下します。動き出すことで血流と滑液の循環が改善されるため、一時的に楽になります。これは初期~中期の変形性股関節症によく見られます。

 

 二つは、炎症による炎症物質の貯留や炎症による末梢性感作(神経が過敏になる)で、股関節周囲の筋肉がこわばります。動き出すことで、炎症物質が流されたり、筋肉のこわばりがとれて改善します。これは急性期によく見られます。

 それぞれの身体の状態にあった対処が必要で、「動けば治る」と放置すると、摩耗を早めるリスクがあるため注意が必要です。

股関節を動かすと「ポキポキ」「ゴリゴリ」音が鳴るのは放っておいて大丈夫?

【回答】「痛み」がなければ経過観察で良いですが、「音+痛み」は要注意です。

 股関節が正常に機能していないことを示しています。

  1.  弾発股(だんぱつこ)と呼ばる、腱や筋肉が骨を乗り越える際の音。腱や筋肉が固くなったり、滑りが悪くなって起こります。
  2. 関節が不安定でグラグラして鳴る音。筋肉の衰えや靭帯が緩んで起こります。
  3.  軟骨が減少して骨同士が擦れている、あるいは関節内の遊離体(関節ネズミ)の引っ掛かる音。


 音が鳴るたびに痛みや引っかかりを感じる場合は、関節内部を傷つけている恐れがあるため、専門的な評価が必要です。

あぐらがかけない、足が開かないのは股関節の異常ですか?

【回答】構造的な「衝突」か、筋肉の「短縮」が起きているサインです。

 足が開かない(外転・外旋の制限)のは、大腿骨の頭と骨盤の受け皿がぶつかっている(FAI:股関節インピンジメント)か、内転筋群が過度に短縮している場合に起こります。特に「昔はできたのに最近できない」という場合は、関節包の柔軟性が失われている可能性が高く、将来の歩行困難を防ぐための介入が必要です。

股関節の痛みだと思っていたら、実は「腰」が原因ということもありますか?

【回答】非常に多くあります。これを「Hip-Spine Syndrome(股関節-腰椎症候群)」と呼びます。

 
腰椎(特にL2〜L3あたり)の神経が圧迫されると、その痛みは足の付け根(鼠径部)に「放散痛」として現れます。股関節そのものに異常がないのに付け根が痛む場合、腰の神経伝達を正常化させるだけで、股関節の痛みが消失することも珍しくありません。

「変形性股関節症」と言われましたが、骨の変形は元に戻りますか?

  【回答】一度変形した骨の「形」を完全に元に戻すことは出来ませんが、「痛み」や「機能」は大幅な改善が可能です。

   骨の変形は、長年の負荷に対する体なりの「適応」の結果(防御反応)でもあります。

 科学的には、画像上の変形度合いと痛みの強さは必ずしも一致しないことが証明されています。変形と痛みの関連性は認められていますが、因果関係は証明されていません。

 ただし、可動域については、骨の変形が強く影響します。

 重要なのは、症状は

「骨の形や軟骨の減り具合(形)」+「関節を支える筋肉の柔軟性や、神経伝達のスムーズさ(機能)」や「関節内(骨、軟骨)」+「関節外(筋肉、靭帯)」のようにいくつかの要因が組み合わさって出てくるもの(複雑系)だということです。

 「骨の形を整える手術」と「筋肉や神経の働きを鍛えるリハビリ」は対立関係ではなく、協力関係になります。リハビリに取り組むことで、不要な手術は避けられますし、最終的に手術することになっても、術前のリハビリが術後の成績を高めてくれます。また、手術後もリハビリは必須です。

  改善したいのであれば、リハビリをしないという選択肢はありません。

臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)があると、必ず将来歩けなくなりますか?

【回答】いいえ、そんなことはありません。適切な筋力と動作を身につければ、健康な歩行を維持できます。

 
臼蓋形成不全は「骨の受け皿が浅い」という構造的な特徴を指しますが、それが即「歩行困難」を意味するわけではありません。骨のサポートが少ない分、周囲の筋肉(特にお尻の中臀筋や深層外旋六筋)がその役割を代行できるようトレーニングすれば、関節の安定性は確保されます。早期に「筋肉の天然コルセット」を機能させることが、将来の不安を払拭する鍵となります。

股関節の「関節唇(かんせつしん)損傷」とはどのような状態ですか?

【回答】関節の縁にある「パッキン」のような軟骨が傷つき、引っかかりや痛みを生じる状態です。

 
関節唇は、股関節の安定性を高め、衝撃を吸収するクッションの役割を果たしています。ここが損傷すると、特定の動きで「ズキッ」とする鋭い痛みや、関節内の「引っかかり感」が出やすくなります。近年では、手術をせずとも、股関節のインピンジメント(衝突)を避ける体の使い方を習得することで、多くの方がスポーツや日常生活に復帰されています。

股関節の関節唇損傷の図

スポーツ(格闘技やゴルフ)で股関節を痛める主な原因は何ですか?

【回答】限界を超えた「回旋動作」と、体幹からの「連動不全」、オーバーワークが主な原因です。

 格闘技の蹴りやゴルフのスイングは、股関節に強力な回転ストレスをかけます。この時、股関節だけで回ろうとしたり、インナーマッスルが機能せずに関節が不安定な状態で力を加えたりすると、関節唇や周囲の腱を痛めます。「足先だけで動く」のではなく、脊柱や骨盤からのエネルギーをスムーズに伝える神経伝達を整えることが、怪我の防止とパフォーマンスアップの両立に不可欠です。

産後の股関節痛が数年経っても治らないのはなぜですか?

【回答】ホルモンによる「靭帯の緩み」が戻りきらず、不適切な動作パターンが定着してしまったためです。

 
出産時に分泌されるリラキシンというホルモンは骨盤周りの靭帯を緩めますが、産後、骨盤が不安定なまま育児や家事で過度な負担がかかると、股関節に代償的な負荷が集中します。

  数年経っても痛むのは、骨盤の問題というより、不安定な体を支えるための「誤った筋肉の使い方(脳の記憶)」が原因です。一度リセットし、神経系から正しい姿勢を再学習する必要があります。

「FAI(股関節インピンジメント)」とは何ですか?

【回答】大腿骨と骨盤の骨が、動かすたびに「衝突(インピンジメント)」してしまう状態です。

  骨の形状にわずかな出っ張りがあることで、深く曲げたり捻ったりした際に関節の縁を挟み込んでしまいます。これにより痛みや関節唇の損傷を引き起こします。これを放置すると将来の変形性股関節症につながるリスクがあるため、衝突が起きないような「股関節の引き込み動作(正しいはまり方)」を神経トレーニングで習得することが推奨されます。

FAI(股関節インピンジメント)

レントゲンで「骨に異常なし」と言われたのに付け根が痛む原因は?

【回答】レントゲンに写らない「軟部組織(筋肉・腱・筋膜)」や「神経の絞扼」が原因です。

 レントゲンは骨の異常を見るのには優れていますが、痛みの原因となりやすい筋肉の炎症、腱の変性、関節唇の微細な傷、あるいは末梢神経の圧迫などは写し出せません。

  また、「脳の過敏状態(中枢性感作)」によって痛みを感じている場合も、骨には異常が出ません。

当院では、レントゲン、MRIでは異常が見つけられない痛みに、徒手検査、理学検査で特定していきます。

股関節の痛みで手術を勧められましたが、保存療法で回避できますか?

【回答】多くの場合、回避または大幅な延期が可能です。

 
科学的なガイドラインでも、変形性股関節症の第一選択は「保存療法(運動療法や徒手療法)」とされています。手術は「骨の形」を変えますが、保存療法は「関節の動かし方」と「周囲の組織」を改善します。

  特に、痛みに関与しているのが骨そのものではなく、周囲の筋肉や関節包(かんせつほう)である場合、機能を整えるだけで手術が必要なくなるケースは多々あります。

  「骨の形を整える手術」と「筋肉や神経の働きを鍛える保存療法」は対立関係ではなく、協力関係になります。リハビリに取り組むことで、不要な手術は避けられます。

 仮に、最終的に手術することになっても、術前のリハビリが術後の成績を高めてくれます。また、手術後もリハビリは必須です。

 

  改善したいのであれば、リハビリをしないという選択肢はありません。

軟骨がすり減っていても、痛みを消すことは可能ですか?

【回答】はい、可能です。軟骨自体には「痛みを感じる神経」が通っていないからです。

 痛みを感じているのは、軟骨が減ったことによって起きた「関節内の炎症(滑膜炎)」や、不安定な関節を支えようとして過緊張を起こしている「筋肉・筋膜」、あるいは「神経の過敏化」です。

  研究によって、軟骨の減少と痛みとは関連性は認められていますが、因果関係は認められていません。また、軟骨の再生医療で軟骨を増やしても、痛みは改善しなかったと報告されています。軟骨よりも滑膜炎の方が痛みとの関連性が強いです。


  これらを適切に処置すれば、画像上で軟骨が減っていても、痛みなく日常生活を送ることは医学的に十分にあり得ます。

整形外科の「リハビリ」と、接骨院の「施術」はどう違いますか?

【回答】整形外科は「部位の強化」、当院は「全身の連動性の回復」に重きを置きます。

  • 整形外科: 主に診断に基づき、弱った筋肉を鍛える(筋力増強)や、動かなくなった関節を広げる(可動域訓練)を行います。

  • 当院: 全身を検査して「なぜ股関節に負担がかかったのか」という根本原因を全身の歪みから特定します。手技による関節モビライゼーション、筋膜リリースや神経トレーニングを組み合わせ、股関節がスムーズに動くための「連動性」を作り上げます。

【比較表】股関節治療の役割分担

項目 整形外科(病院) 当院(ひまわり接骨院)
主な目的 「構造」の診断と除痛 「機能」の回復と根本改善
検査手法 レントゲン、MRI、血液検査 AI姿勢分析、動作解析、神経伝達テスト
主なアプローチ 手術、投薬、注射、安静 徒手療法、神経トレーニング、動作指導
得意とする事 骨折・腫瘍の除外、末期症例の手術 画像に写らない痛み、歩き方の改善、手術回避
目指すゴール 組織的な異常を取り除くこと 「一生自分の足で歩ける」動ける体作り

ヒアルロン酸注射や痛み止めで股関節症は根本的に治りますか?

【回答】それらは「対症療法」であり、根本的な解決にはなりません。

 
注射や薬は、一時的に炎症を抑えたり、滑りを良くしたりする「消火作業」です。しかし、股関節に負担をかけている「姿勢の悪さ」や「歩き方のクセ」という「火の元」を消さない限り、薬の効果が切れると痛みは再発します。

  根本改善には、物理的なアプローチ(施術)と動作の再学習(運動療法)が不可欠です。

股関節の「筋トレ」を頑張っているのに、痛みが変わらないのはなぜ?

【回答】「関節が適切な位置にない状態」で鍛えると、逆に関節を削ってしまうからです。

 これを「ジョイント・セントレーション(関節の求心性)」の欠如と呼びます。股関節が正しい位置にはまっていない状態で筋トレをすると、筋肉が関節をさらに強く圧迫し、炎症を悪化させることがあります。

   大切なのは「量(筋力)」だけではなく「質(神経によるコントロール)」も含めることです。包括的、総合的に鍛える必要があります。まずは正しく動く準備を整える(運動制御トレーニング)必要があります。

施術を受けてからスムーズに歩けるようになるまで、どのくらいの期間が必要?

【回答】個人差はありますが、一般的に3ヶ月から4.5か月が一つの目安です。

 
組織の炎症が引くのに6週間、そこから「正しい歩き方」を脳と筋肉が再学習して定着させる(神経可塑性)のに3ヶ月程度の期間を要します。早い方では初回で変化を実感されますが、再発しない体作りには、細胞や神経が入れ替わるこのサイクルを意識した計画的な通院が推奨されます。

   炎症がなければ、3か月、炎症があれば4.5か月、週2回で6週間が長期的な身体の変化を生む最小単位です。

股関節が痛い時、ウォーキングは控えたほうがいいですか?

【回答】「痛みが増さない範囲」での継続が、軟骨の健康維持には不可欠です。

 股関節の軟骨には血管が通っておらず、歩行による適度な「加圧と除圧」の繰り返しによって、関節液から栄養を吸収します。完全に歩くのをやめると、かえって軟骨の変性を早めるリスクがあります。

  ただし、痛みが出るようなら「負荷過多」のサインです。歩幅を小さくする、自転車やプールでの水中ウォーキングに切り替えるなど、強度を調整しながら動かし続けることが科学的な正解です。

階段の昇り降りで股関節に負担をかけないコツはありますか?

【回答】「昇りは良い足から、降りは痛い足から」という基本ルールを徹底してください。

  • 昇り: 痛くない方の足を先に一段上げ、お尻の筋肉(大臀筋)を使って体を持ち上げます。

  • 降り: 痛い方の足を先に降ろすことで、支えとなる良い方の足でゆっくりと体重をコントロールできます。 また、昇り降り共に「股関節を少し後ろに引く(ヒップヒンジ)」意識を持つと、太ももの前(大腿四頭筋)への依存が減り、股関節のインピンジメント(衝突)を防げます。

寝る時に股関節が痛む場合、どのような枕やクッションを使えばいいですか?

【回答】横向き寝の際に「両膝の間にクッションを挟む」のが最も有効です。

 
股関節が痛む時、横向きで寝ると上の足が内側に落ち込み、股関節の付け根にある腱や滑液包を圧迫してしまいます。膝の間に厚めのクッションを挟んで「足が骨盤と水平」になるように保つと、関節へのストレスが激減します。仰向けの場合は、膝の下に薄い枕を置くことで股関節が軽く曲がり、周囲の筋肉がリラックスした状態(屈曲位)を作れます。

股関節を柔らかくするための「逆効果なストレッチ」はありますか?

【回答】痛みを我慢して「膝を強く外に押し広げるストレッチ」には注意が必要です。

  特に、あぐらをかいた状態で膝を床に押し付けるようなストレッチ(バタフライストレッチ)は、股関節の「前方の組織」を無理に引き伸ばし、関節唇損傷や炎症を悪化させるリスクがあります。股関節が硬い原因が「骨の衝突(FAI)」にある場合、無理なストレッチは骨同士をぶつけ合うことになります。「伸ばす」ことよりも、関節の「はまり」を良くするモビリティ運動を優先すべきです。

椅子に座る時、股関節に優しい座り方は?(座面の高さなど)

【回答】「膝よりも股関節が高い位置」に来るように調整してください。

 座面が低すぎると、股関節が深く曲がりすぎて関節前方の組織を圧迫します。理想は、股関節の角度が「100〜110度」になる程度の高さです。クッションなどを使って座面を少し高くし、骨盤を軽く前傾させて座ることで、股関節への負担を最小限に抑えられます。

立ち仕事中、片足に体重をかける癖が股関節に与える影響は?

【回答】「休めの姿勢」は、支えている側の股関節組織を微細に損傷させます。

  
片足立ち(トレンデレンブルグ様姿勢)を続けると、骨盤が傾き、股関節の外側にある中臀筋や関節包に過度な牽引力がかかります。これが慢性的な「大転子痛症候群」や軟骨の偏った摩耗の原因となります。両足に均等に体重をかけ、ときどき足踏みをして荷重を分散させることが、将来の変形を防ぐ単純かつ強力な対策です。

体重を減らすだけで、股関節の痛みは改善しますか?

【回答】はい。治療効果があります。運動療法との組み合わせでより高い効果を発揮します。

 
関節症の最重要治療は、「教育」・「運動療法」・「減量」の三つです。
 減量によって、痛みと機能を改善出来ます。また、仮に手術をすることになっても、術後の成績を向させ、術後合併症のリスクを軽減します。

 歩行時に股関節にかかる負担は体重の約3〜4倍、走る時は約5〜10倍と言われています。つまり、**「1kgの減量は、一歩ごとに股関節にかかる3〜4kgの負担を減らす」**ことに相当します。減量は炎症を引き起こす物質(アディポカイン)の減少にもつながるため、痛みの緩和において最もコストパフォーマンスの高い治療の一つと言えます。

股関節の健康を維持するために、日常生活で最も気をつけるべき「神経のスイッチ」とは?

【回答】「お尻の深層筋(インナーマッスル)」が自動で入る状態を作ることです。

 股関節の健康を握るのは、パワーを生む大臀筋ではなく、骨を正しい位置に引き寄せる「深層外旋六筋」などのインナーマッスルです。この「スイッチ」がOFFになると、歩くたびに関節が中でグラつき、摩耗が進みます。当院で行う神経トレーニングは、このスイッチを脳に再学習させ、無意識に股関節を守れる体質へと変えることを目的としています。

【股関節の危険度】セルフチェックリストはありますか?

【回答】はい。あります。まずは、ご自身の股関節の状態を客観的に把握しましょう。3個以上当てはまる場合は、関節の変形が進む前に「機能的な改善」が必要です。

 

  • [  ] 動き始めの違和感: 朝起きて一歩目や、椅子から立ち上がる時に付け根がズキッとする。

  • [  ] 可動域の制限: 靴下を履く、爪を切るといった「前かがみ」の動作がしにくい。

  • [  ] 歩行の変化: 長く歩くと股関節がだるくなり、無意識に足を引きずるような歩き方になる。

  • [  ] クリック音: 足を回すと「ポキッ」「ゴリゴリ」と音がして、引っかかる感じがある。

  • [  ] あぐらがかけない: 以前に比べて膝が外側に倒れにくくなった。

  • [  ] 階段の不安: 昇る時よりも「降りる時」に、股関節が不安定で怖いと感じる。

ごあいさつ

院長の新幡です

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