〒213-0002 神奈川県川崎市高津区二子1丁目7−17
リバーサイドマンション杉崎 102 二子新地駅 徒歩3分
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日祝 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 9:00〜13:00 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ─ |
| 15:00〜19:00 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ─ |
公開日:2026/07/15
更新日:2026/00/00
自分の感情を認識したり言葉で表現したりすることが困難な特性である失感情症(アレキシサイミア)と、慢性腰痛の密接な関連性を科学的根拠に基づいて解説しています。
慢性腰痛患者の約5人に1人がこの特性を持つとされ、脳内の感情処理と痛み抑制システムの機能不全が痛みの慢性化や増幅に寄与していることが示されています。
特に抑うつや不安が失感情症と痛みの支障度を仲介しており、過去の逆境体験がその背景にある可能性も指摘されています。
治療においては、身体的ケアに加えてアクセプタンス&コミットメント療法(ACT)や認知行動療法などの心理的アプローチを組み合わせる多職種連携の重要性が強調されています。
患者自身が日常生活で感情と身体感覚を紐付ける練習を行うことで、脳の可塑性を活かした症状改善が期待できるという希望を提示する内容となっています。
失感情症(アレキシサイミア)と慢性腰痛の間には、心理的、神経生物学的、そして治療的な側面において極めて密接な関連があることが最新の研究から明らかになっています。主要な知見は以下の通りです。
**失感情症(アレキシサイミア)**とは、自分の感情を認識したり言葉で表現したりすることが苦手な心理的特性を指します。感情そのものを失っているわけではなく、生じている感情をうまく捉えて言葉にするプロセスに難しさがある状態です。
日常生活では、以下のような形で現れることが一般的です:
最新の脳画像研究により、「感情」と「痛み」は脳の中で同じ領域で処理されており、神経生物学的に深く結びついていることが明らかになっています。慢性腰痛を抱える方の脳、そして失感情症(アレキシサイミア)の特性を持つ方の脳でどのようなことが起きているのか、具体的な仕組みを解説します。
脳には、痛みの物理的な感覚(どこが痛いか)だけでなく、感情的な側面(どれだけ不快か、どう感じるか)を処理する共通の領域が存在します。特に重要なのが以下の3つの部位です:
■前島(ぜんとう / インスラ)—— 感情と身体感覚の統合センター
■帯状回(たいじょうかい)—— 痛みの「不快さ」を処理する領域
■前頭前野(ぜんとうぜんや)—— 痛みの「音量調節ボタン」(司令塔)
私たちの脳には、脳から脊髄へ信号を送って、痛みの信号が脳に届く前に弱める**「下降性疼痛制御系」という天然の痛み抑制システム(ブレーキ)**が備わっています。
脳の構造や機能が変わってしまったからといって、回復不可能なわけではありません。人間の脳には、経験やアプローチに応じて変化し、再組織化される能力である**「可塑性(かそせい)」**があります。
実際、感情を受け入れていく心理療法(アクセプタンス&コミットメント療法:ACTなど)や認知行動療法(CBT)によって、失感情症の度合いが低下し、脳の痛み調節システムに良い変化をもたらすことが実証されています。
慢性腰痛と心の健康は、単に「腰が痛いから気分が落ち込む」という単純な関係にとどまりません。抑うつや不安、さらには幼少期の過去の経験が、痛みの強さや長引き方に深く関わっていることが科学的に明らかになっています。
慢性疼痛を抱える人において、感情の認識や表現が苦手な「失感情症(アレキシサイミア)」の特性は、痛みの強さそのものよりも、抑うつや不安といった心の苦痛と格段に強く結びついています。
失感情症の特性がどのように腰痛を悪化させるのかを調べた研究から、「抑うつ」がその2つを強力に媒介(中継)していることが分かっています。
幼少期のトラウマや、不利な養育環境といった**「早期逆境体験」は、失感情症、抑うつ、そして慢性腰痛を抱えやすくなる根深い素因(きっかけ)**になっている可能性があります。
この心と体のつながりは、治療の経過にも決定的な差をもたらします。8年間の追跡調査において、失感情症を持たない患者は順調に回復していったのに対し、**失感情症を持つ患者は抑うつ状態が長引き、痛みの障害も回復しにくいという「明確な二極化」**が見られました。
ここで過去のトラウマや心の問題に触れるのは、決して「痛みの原因は気のせいだ」と患者さんを責めるためではありません。
むしろ、「なぜ自分だけがこんなに痛みに苦しむのか」という疑問に対し、心と体の両面から納得のいく答えを見つけ、自分自身を深く理解して優しくケアするためのものです。
これまで、脳の仕組みや心の健康(抑うつ、過去の経験)と慢性腰痛のつながりを見てきましたが、これらを踏まえると、治療やケアにおいては「心と体の両面」から同時にアプローチする多角的な手法が極めて重要であることが分かります。
効果的な治療計画を立てるための第一歩は、患者が感情の認識や表現に難しさを抱えているかどうかを適切に把握することです。
失感情症の特性を持つ方に対して、近年非常に注目されている心理療法が「ACT(アクト)」です。
慢性腰痛の心理的介入として実績のある「認知行動療法(CBT)」は、身体的な治療と組み合わせることで劇的な効果を発揮します。
失感情症を伴う慢性腰痛は、身体、感情、認知、社会生活が複雑に絡み合っているため、一人の専門家だけで解決することは困難です。
■各専門家の強みを統合:
■このように多職種がワンチームとなって生物心理社会的な状況全体を包括的にサポートすることが、治療への反応を飛躍的に高めます。
患者自身が医療チームと協働していくために、受診時には以下のポイントを意識することが推奨されています。
慢性腰痛と失感情症の関係は一朝一夕には改善しないかもしれませんが、「脳には変化できる力(可塑性)」があり、心と体の両面にアプローチするエビデンスに基づいた確実な治療法(ACTやCBT×運動)が存在します。医療者と手を取り合い、焦らず一歩ずつ進んでいくことで、痛みに振り回されない本来の生活を取り戻すことができます。
慢性的な腰痛に悩む中で、「感情がよくわからない」というのは、ご自身が思っている以上に脳や神経の仕組みと深く結びついており、決して珍しいことではありません。
日々の生活の中で痛みの悪循環を和らげ、希望を持って進むために、今日から実践できる具体的なケア方法をご紹介します。
失感情症の特性を持つ方にとって、感情を認識して言葉にすることは簡単ではありませんが、これらは日々の練習によって向上させることができる「スキル」です。
今この瞬間に注意を向け、それを判断せずに静かに受け入れる練習は、痛みに対する脳の過敏な反応を和らげるのに役立ちます。
一人で痛みを抱え込まず、周囲の力を借りることは、回復に向けた強さの表れです。
私たちの脳には、経験や日々の取り組みに応じて変化し、再組織化できる能力である**「可塑性(かそせい)」**が備わっています。感情への気づきを高め、受け入れる練習をすることは、脳の痛み抑制システムを少しずつ変化させ、痛みの体験そのものを改善していくプロセスに他なりません。
[1]A. Fresán et al., “Evaluation of alexithymia in individuals with chronic pain in a Mexican population: Alexithymia in a Mexican population.,” International Journal of Psychiatry in Medicine, vol. 56, no. 3, pp. 177–188, May 2021, doi: 10.1177/0091217420982086.
[2]R. V. Aaron et al., “Alexithymia in individuals with chronic pain and its relation to pain intensity, physical interference, depression, and anxiety: a systematic review and meta-analysis,” Pain, vol. 160, no. 5, pp. 994–1006, May 2019, doi: 10.1097/J.PAIN.0000000000001487.
[3]A. Saariaho, “Alexithymia and Chronic Pain : Reflections of early maltreatment in chronic pain patients with a special focus on alexithymia with depression and early maladaptive schemas,” Jan. 2017.
[4]D. G. Turesky, “A descriptive analysis of alexithymia among patients with chronic back pain,” Jan. 2011, doi: 10.17077/ETD.DJMTHYMC.
[5]K. von Korn, M. Richter, and H. von Piekartz, “Einschränkungen in der Erkennung von Basisemotionen bei Patienten mit chronischem Kreuzschmerz,” Schmerz, vol. 28, no. 4, pp. 391–397, Mar. 2014, doi: 10.1007/S00482-014-1395-5.
[6]M. Shibata et al., “Alexithymia Is Associated with Greater Risk of Chronic Pain and Negative Affect and with Lower Life Satisfaction in a General Population: The Hisayama Study,” PLOS ONE, vol. 9, no. 3, Mar. 2014, doi: 10.1371/JOURNAL.PONE.0090984.
[7]R. G. Esin, E. Gorobets, O. R. Esin, I. Khayrullin, V. Gorobets, and Y. Volskaya, “The Comorbidity of Back and Cervical Pain, Anxiety, Depression and Alexitymia,” Journal of Bionanoscience, vol. 10, no. 1, pp. 365–369, Mar. 2020, doi: 10.1007/S12668-019-00714-Z.
[8]M. R. I. Martins, A. M. R. Cunha, J. E. N. Forni, R. dos S. Junior, L. C. Dias, and G. M. de A. Filho, “Self-perception of quality of life and identification of alexithymia in failed back surgery syndrome patients,” Revista Dor, vol. 18, no. 1, pp. 23–26, Mar. 2017, doi: 10.5935/1806-0013.20170006.
[9]J. Julkunen, H. Hurri, and J. Kankainen, “Psychological factors in the treatment of chronic low back pain. Follow-up study of a back school intervention.,” Psychotherapy and Psychosomatics, vol. 50, no. 4, pp. 173–181, Jan. 1988, doi: 10.1159/000288118.
[10]V. Tüzer, S. D. Bulut, B. Bastug, G. Kayalar, E. Göka, and E. Beştepe, “Causal attributions and alexithymia in female patients with fibromyalgia or chronic low back pain,” Nordic Journal of Psychiatry, vol. 65, no. 2, pp. 138–144, Mar. 2011, doi: 10.3109/08039488.2010.522596.
[11]B. Pavani, M. Anand, and S. Subramanian, “The Relationship between Alexithymia and Functional Disability Among IT Professionals with Chronic Low Back Pain,” Journal of Ecophysiology and Occupational Health, Apr. 2023, doi: 10.18311/jeoh/2023/32075.
[12]E. N. Lia et al., “Neurobiological substrates of chronic low back pain (CLBP): a brain [99mTc]Tc-ECD SPECT study,” European Journal of Hybrid Imaging, vol. 6, no. 1, Nov. 2022, doi: 10.1186/s41824-022-00145-2.
[13]S. Hazra, S. Sahu, P. C. Nayak, K. Sarkar, S. Venkataraman, and G. Handa, “Brain Activation in Chronic Nonspecific Low Back Pain : A Systematic review and ALE Meta-analysis,” medRxiv, Aug. 2021, doi: 10.1101/2021.08.26.21262683.
[14]L. Zhang et al., “Evaluating Cortical Alterations in Patients With Chronic Back Pain Using Neuroimaging Techniques: Recent Advances and Perspectives.,” Frontiers in Psychology, vol. 10, p. 2527, Nov. 2019, doi: 10.3389/FPSYG.2019.02527.
[15]S. Hazra, G. Handa, P. Nayak, S. Sahu, K. Sarkar, and S. Venkataraman, “A Dysfunctional Descending Pain Modulation System in Chronic Nonspecific Low Back Pain: A Systematic Review and ALE Meta-Analysis.,” Neurology India, vol. 70 4, no. 4, pp. 1344–1360, Jan. 2022, doi: 10.4103/0028-3886.355137.
[16]X. Chen et al., “Multimodal Abnormalities of Brain Function in Chronic Low Back Pain: a Systematic Review and Meta-Analysis of Neuroimaging Studies”, doi: 10.3389/fnins.2025.1535288.
[17]D. L. Morton, J. S. Sandhu, and A. K. Jones, “Brain imaging of pain: state of the art.,” Journal of Pain Research, vol. 9, pp. 613–624, Sept. 2016, doi: 10.2147/JPR.S60433.
[18]J. Liu et al., “Neuroimaging evidence for central mechanisms of acupuncture in non-specific low back pain: a systematic review and meta-analysis,” Frontiers in Medicine, vol. 12, pp. 1657241–1657241, Oct. 2025, doi: 10.3389/fmed.2025.1657241.
[19]Y. Moriguchi and G. Komaki, “Neuroimaging studies of alexithymia: physical, affective, and social perspectives,” Biopsychosocial Medicine, vol. 7, no. 1, pp. 8–8, Mar. 2013, doi: 10.1186/1751-0759-7-8.
[20]Q. Wen et al., “Neuroimaging Studies of Acupuncture on Low Back Pain: A Systematic Review.,” Frontiers in Neuroscience, vol. 15, p. 730322, Sept. 2021, doi: 10.3389/FNINS.2021.730322.
[21]“The Changes of Brain Function After Spinal Manipulation Therapy in Patients with Chronic Low Back Pain: A Rest BOLD fMRI Study,” Neuropsychiatric Disease and Treatment, vol. Volume 18, pp. 187–199, Feb. 2022, doi: 10.2147/ndt.s339762.
[22]D. E. bèze Rimasson, C. Bouvet, and H. Hamdi, “La gestion des émotions et ses déficits, chez les personnes atteintes de douleur chronique : une revue systématisée des études relatives à l’alexithymie, à l’intelligence émotionnelle, à la régulation émotionnelle et au coping,” Psychologie Francaise, vol. 63, no. 1, pp. 51–72, May 2017, doi: 10.1016/J.PSFR.2017.01.001.
[23]J. Clark, J. Clark, P. C. Goodwin, and G. Yeowell, “Exploring the pre-morbid contexts in which central sensitisation developed in individuals with non-specific chronic low back pain. A qualitative study.,” Revista Brasileira De Fisioterapia, vol. 23, no. 6, pp. 516–526, Nov. 2019, doi: 10.1016/J.BJPT.2018.10.012.
[24]F. B. Sheykhangafshe, A. Fathi-Ashtiani, V. S. Niri, H. R. Golezani, and S. Baryaji, “The Effectiveness of Acceptance and Commitment Therapy on Anxiety Sensitivity and Alexithymia of Nurses with Chronic Low Back Pain,” طلوع بهداشت, Jan. 2023, doi: 10.18502/tbj.v21i5.11751.
[25]E. K. Ho et al., “Psychological interventions for chronic, non-specific low back pain: systematic review with network meta-analysis,” BMJ, vol. 376, pp. e067718–e067718, Mar. 2022, doi: 10.1136/bmj-2021-067718.
[26]R. V. Aaron, D. Preece, L. C. Heathcote, S. T. Wegener, C. M. Campbell, and C. J. Mun, “Assessing alexithymia in chronic pain: psychometric properties of the Toronto Alexithymia Scale-20 and Perth Alexithymia Questionnaire,” Pain reports, vol. 10, no. 1, pp. e1204–e1204, Dec. 2024, doi: 10.1097/pr9.0000000000001204.
[27]P. Lai et al., “The Emotion Regulation of Acupuncture in Chronic Low Back Pain: A Clinical Neuroimaging Protocol,” Journal of Pain Research, vol. 17, pp. 817–825, Mar. 2024, doi: 10.2147/jpr.s450589.
[28]J. Yang, W. L. A. Lo, F. Zheng, X. Cheng, Q. Yu, and C. Wang, “Evaluation of Cognitive Behavioral Therapy on Improving Pain, Fear Avoidance, and Self-Efficacy in Patients with Chronic Low Back Pain: A Systematic Review and Meta-Analysis,” Pain Research & Management, vol. 2022, pp. 1–15, Mar. 2022, doi: 10.1155/2022/4276175.
[29]M. Hosoi et al., “Relationships among alexithymia and pain intensity, pain interference, and vitality in persons with neuromuscular disease: considering the effect of negative affectivity,” Pain, vol. 149, no. 2, pp. 273–277, May 2010, doi: 10.1016/J.PAIN.2010.02.012.
[30]N. Lankster, “On the nexus of chronic pain, posttraumatic stress, and alexithymia,” vol. 7, no. 1, Nov. 2018.
長引いた痛みを一人で治すのは困難なことが多いです。
困ったときは自身で判断せずに適切な処置を受けるために専門家に相談しましょう。
もし、お近くにお住まいで、困っているならば、一度ひまわり接骨院までお問い合わせください。腰痛・坐骨神経痛の専門家の新幡が、ご相談に乗ります。
気軽にご相談ください。
お電話でのお問合せ・相談予約
<受付時間>
月~土
9:00〜13:00 /15:00〜19:00
※日曜・祝日は除く
フォームは24時間受付中です。お気軽にご連絡ください。
〒213-0002
神奈川県川崎市高津区二子1丁目7−17 リバーサイドマンション杉崎 102
二子新地駅 徒歩3分
駐車場:近隣にコインパーキングあり。自転車・バイクは店舗前に駐輪場がございます。
月~土
9:00〜13:00 /15:00〜19:00
日曜・祝日